職業倫理に関する研修（倫理研修）のみを受ければ足りる場合と、それに加えて医療技術に関する研修（技術研修）も受ける必要がある場合とがあります。
倫理研修は、医業停止処分を受けたすべての医師に対して課されます。そのうち、医療事故が理由で医業停止処分を受けた医師や、医業停止期間が長期に及んだ医師については、さらに加えて、技術研修も受けることになります。
技術研修の目的は、医療事故が理由で医業停止処分を受けた医師については、行政処分の理由となった技術について評価を行い、能力と適性に応じた医業再開の環境と条件を検討する機会とする点にあるとされています。一方、医業停止期間が長期に及んだ医師については、医業復帰にあたって、医学知識の不足と医療技術の低下を補うとともに、再就業先の環境に応じた医療技術の修得を支援する点にあるとされています。
技術研修の内容は、（１）専門的な知識・技術を有する医師が被処分者の医学知識と医療技術の評価を行う、（２）医学知識・医療技術に問題がないことを確認する、（３）被処分者が自らの医療技術上の問題点を認識して、自らの能力と適性に応じた就業環境を選択する旨の自己評価をするというものです。
技術研修を修了したと評価されるための基準は、医療事故が理由で医業停止処分を受けた医師については、医療事故を引き起こした領域における医学知識・医療技術に問題がないことが確認できるという点に置かれています。医業停止が長期に及ぶ医師については、（１）医業再開後の業務内容を適切に選択できる、（２）医学知識・医療技術に問題がないことが確認できるという２つの点に置かれています。
