医師・歯科医師に対する行政処分がされるまでの流れ
医道審議会による審議、答申内容の決定
意見の聴取・弁明の聴取期日を経て作成される聴取書・報告書・意見書などは、厚生労働大臣宛に提出されますが、厚生労働大臣が直ちに判断するのではなく、まずは医道審議会の医道分科会がこれらの資料に基づいて処分内容について審議します。
医道分科会は、医道審議会令5条2項に基づき、医道審議会の委員または臨時委員である社団法人日本医師会の長、社団法人日本歯科医師会の長及び学識経験者のうちから厚生労働大臣が指名した4名の委員及び22名の臨時委員で構成されます。
医道分科会は医師または歯科医師に対する個々の処分について審議を行うことから、その委員及び臨時委員については、個々の処分事案について公平かつ公正な判断ができるよう、幅広い分野から識見を有する者を選任するとされています。学識経験者である委員及び臨時委員については、公衆衛生行政に識見を有する者、医学教育または歯学教育の関係者、法律学の専門家、医療現場の事情に精通した者等の中から厚生労働大臣が適当と判断した者が選任されます。
最終的な行政処分の内容を厚生労働大臣に答申するのは医道審議会の医道分科会であり、その場には処分対象となる医師・歯科医師が出席することはありませんが、医道分科会における審議の場においては各都道府県でなされた意見の聴取・弁明の聴取の結果が最も重要な判断資料となります。そのため、意見の聴取・弁明の聴取手続において十分な防御活動をしておくことが重要と考えられます。