再免許付与申請について(免許取消処分を受けた方)
1 どのような場合に再免許が与えられるか
免許取消処分を受けた場合であっても、一定の場合には再免許の申請が可能です。医師法7条2項・歯科医師法7条2項は再免許についての規定ですが、同条項では「その者がその取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたとき」に「再免許を与えることができる。」と定めています。
2 「取消しの理由となった事項」とは
「取消しの理由となった事項」とは、以下の6つの事項です。
(1) | 未成年者、成年被後見人又は被保佐人 |
(2) | 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者 |
(3) | 麻薬、大麻又はあへんの中毒者 |
(4) | 罰金以上の刑に処せられた者 |
(5) | 医事に関し犯罪又は不正の行為のあった者 |
(6) | 医師・歯科医師としての品位を損するような行為のあった者 |
そして、(4)~(6)の事項による取消処分については、再免許の要件として「処分の日から起算して5年を経過」することも必要とされています。
3 処分庁の裁量権
「再免許を与えることができる。」との文言のとおり、再免許を付与するかどうかについては、処分庁に広い裁量権が認められています。それゆえ、再免許申請を行う場合には、単に「取消しの理由となった事項に該当しなくなった」ことや、「処分の日から起算して5年を経過」したことを主張するだけでは不十分であり、再免許の付与を受けることが適切であると判断されるに足りる事情を主張して、それを裏付けるだけの資料を準備し、申請の際に添付する必要があります。
4 「罰金以上の刑に処せられた者」として免許取消処分を受けた場合
「罰金以上の刑に処せられた者」について、「その取消しの理由となった事項に該当しなくなった」といえるためには、処分の原因となった罰金以上の刑に関して、以下のような刑の消滅事由に該当している必要があります。
(1) | 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したとき |
(2) | 罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したとき |
(3) | 刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで2年を経過したとき |
(4) | 刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したとき |
こうした刑の消滅事由に加えて、「処分の日から起算して5年を経過」していることも再免許が与えられるための要件となっています。
当弁護士事務所では、過去に免許取消処分を受けた医師・歯科医師の方の再免許付与申請についてもサポートをしております。再免許付与申請の要件を満たすか否かのご相談のみでも承りますので、お気軽にお問い合わせください。